どう響くか

キーがCなら C → Am → Dm → G。数字をとって「1625」とも呼ばれます。名前のとおり、終わらずに回り続けるのが役割です。最後のⅤ(G)が先頭のⅠ(C)を強く呼ぶため、4つめまで来ると必ず頭へ引き戻されます(ケーデンスでいう半終止で終わり続ける形です)。

途中の動きも滑らかで、CとAmは2音(C・E)を共有しています。AmとDmの共通音はAの1つだけですが、残りの2声がC→D、E→Fと順次進行で動くので段差になりません。

四和音にすればAm7とDm7はA・Cの2音を共有し、いっそう地続きになります。落差の小さい進行なので主張が弱く、その上で歌うメロディを邪魔しません。

どこで使われるか

歌もののAメロや、曲の土台として広く使われます。ジャズのスタンダードでは曲の終わりで次のコーラスへ戻すために置かれることが多く、この用法は「ターンアラウンド」と呼ばれます。ずっと同じ場所を回るので、アドリブの練習台としても向いています。

Ⅵm から始めればⅥm-Ⅱm-Ⅴ-Ⅰとなり、こちらは着地する形になります。どこを先頭にするかで、回り続けるか終わるかが変わります。

また3つめのⅡm(Dm)をⅣ(F)に差し替えるとドゥーワップ進行(Ⅰ-Ⅵm-Ⅳ-Ⅴ)になります。DmとFはF・Aの2音を共有していて、違いはDとCの1音だけです。

派生形

Ⅴ7を裏コードにする

最後のⅤ(G)を、鍵盤の反対側にある♭Ⅱ7(D♭7)に置き換える手があります。

G7とD♭7は共通する音を持っていて、どちらもⅠへ向かう解決の力を持つため入れ替えても機能しますが、ベースの動きがG→Cの4度上行から、D♭→Cの半音下行に変わります。跳ねるような着地から、忍び寄るような着地に質感が変わる派生形です。

このままだと4つめで終止感が出るので、「終わらずに回り続ける」目的で使うなら、元のⅤのまま使う方が向いています。裏コードは「ここで一区切りつけたい」ときの選択肢です。